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February 23, 2018

凌雲閣の土台と煉瓦が出た。

明治終わりに建設されて、大正12年の関東大震災で倒壊した12階建ての塔が浅草にあった。
愛称は「十二階」、正式名称は凌雲閣(りょううんかく)である。
多くの文学作品に描かれているので、大正浪漫の代表の一つのようになっている。

不肖ワタクシも、近代文学専攻だったり、永井荷風で卒論書いたりしているので、凌雲閣は永遠のロマンであった。

なんとその一部が、きれいな形で出土したという。
2/10付けで東京新聞が報じて(記事はココ)Twitterで話題になった。
わたしが知ったのは2/11の昼頃だったと思う。

工事現場のゆるめの囲いから見られるというので、いても立ってもいられず、翌日出かけてみることにした。

11日の夜には、「ガッチリ囲まれてしまい、見えなくなった」などというツイートがまわったりもした。
工事は日曜日休みなのになぜ、とか思いつつ、ツイ主にリプライしたところ、「どうにか見られるかもしれない」と返信をもらったのだが、結論から言うと、それはガセだった。
リプライまでくれるのその人が、一体何の意図で、そんなガセツイートをしたのかは、ナゾのままである。

とにかく、祝日は工事をすることもあるので、振替休日の12日の月曜日は、工事が始まるより前の8時半くらいに着くように出かけたのだった。
がっちり囲まれたというツイートが本当だとしても、その人の上げた写真によると囲いは2メートル程度。
上から見ることもできるかと、高さ50センチほどの脚立をIKEAの袋に入れて肩にかけ、一眼レフも用意した。

到着したときの見物人は、ほんの数人。
工事現場は初めの報道通りの佇まいであった。

こういう状態。
一眼レフの写真はまだPCに落としていないので、以下も含めてすべてiPodの写真である。

煉瓦が組まれたままの状態や、こぼれ落ちている煉瓦は、それはそれは浪漫をそそるわけだが、実のところ、注目すべきはコンクリートの土台である。
八角形の建物の土台が、きれいに残っているのだ。
すごい。

今まで写真や絵画を見て想像していたより、土台は小さい。
火の見櫓より一まわりか二まわり大きい程度だろう。

これが、鉄筋無しに12階分積み上げられていたのだから、そりゃ、地震で倒壊もするだろう…

囲いの隙間からしっかり見ることができるけれど、脚立を使ったら、もっとよく見えた。

煉瓦がこぼれているところの真上から。
これを肉眼で見ることができたのは、脚立のおかげである。

凌雲閣の記念碑。
この辺だっただろうということで建っているらしいけど、本来の位置とずれていたということもわかったそうだ。

関東大震災の被害は甚大だったので、そりゃ正確な位置もわからなくなるよね。

実は、昭和56年だか58年だかには一旦発掘調査がされていて、本来の位置はわかっていたらしい。

そして今回の遺構も個人の敷地で、区も都もまともに動かず、コンクリートの土台も壊されてそのまま建物が建つとか。
こういうものを文化財として大切にしないところ、日本ってダメだよな…。

翌2/13(火)、連休明けて工事は再開、重機が入ってコンクリートが壊されていく…
煉瓦は運び出されて、トラックに載せられ始めているらしい。

そして。

今行けば、煉瓦がもらえるというツイートが流れた。
大きな煉瓦をもらっている写真が次々にあがっていく。

煉瓦!
わたしも、前日に現場を見たとき、粉々になった1すくいで良いから、手に入れたいと思ったのだ。

今行けばもらえる…
本来なら、それは保存すべきものだと思う。
ええっ、配っちゃっていいの?という感情と、でも手に入れたいという思いが交錯する。
けれど、現状として産廃として処分されるしかないのであれば、ほしい人の元にいくほうが、現状では正しいのだ。

ちょうど仕事が休みで家にいたのだが、ムスメの受験の進捗状況がたいへんによろしくなく、ちょっと出かける気分になれない。
ムスメがこれほど大変なときに、煉瓦をもらって、わたしだけ楽しい気分になるとか無理だな…。
それに、今から行って、煉瓦の“配布”が終了していたら、気分はさらに暗くなることだろう。

何回も何回もTwitterを開いて、夕方、煉瓦の運び出しが終了するところまで見届けた。

翌2/14(水)
朝イチで工事が始まると、こんどは小さいものだけど、今日も煉瓦をもらえるというツイートが上がる。だいぶ小さいカケラのようだが、むしろ好都合。

行こう。やっぱり行こう。
合格発表を見て沈み込むムスメを無理矢理さそって、浅草へ。

到着したときのようす。
八角形の一部だった土台は完全に崩され、こぼれ落ちていた煉瓦もきれいに片づけられている。

現場を取り囲むように、6、70人集まっていた。

そして、文化財保護なんちゃらを名乗る人が、携帯電話を片手に工事の関係者と何やら話し込んでいる。
郷土史家なのか、NGOだかNPOだかの人なのか不明。ギャラリーからは「何で学者が仕切るんだよ」と声があがる。
ほぉ、学者か…

とにかく区との話し合いがどうとか、なんだかハッキリしないまま、じわりじわりと人数が増えていく。
そして、現場に横付けされたトラックの荷台には、煉瓦の赤い破片が混じり合った泥がいっぱい詰まれている。

結局、学者(仮)が、「みんな1つずつ戴いて、解散するのがいちばん安全だと思う」と提案して、集まっていた人たちは、わりと秩序よくトラックの荷台から煉瓦やコンクリートの破片を掘り出して、少しずつその場を去っていった。

学者(仮)は「ひとこと言っておくと、ここは、倒壊で大勢の方が亡くなったところなので、そのことを忘れないでください」と。
近くにいた女性が「手を合わせておかないとね…」

そんな言葉もあって、みんなお行儀よく煉瓦を分けてもらって帰途についたのだと思う。
混乱したら中止になるしね…。

ワタシがいただいたコンクリートと煉瓦。

その後、台東区役所の人が一応動いたらしいことと、混乱を避けるために煉瓦の配布(?)が終了したこと、見学も遠慮してほしいことなどがTwitterには流れていった。

知る人ぞ知る騒ぎではあったけど、騒げば区も動くんだなという感想。
前に浅草橋駅のすぐ近くの昭和モダニズム建築を保護してほしいという小さな流れがあって、オーナーさんも数日間工事をストップしてくれたんだけど、結局何もやってくれなかったことがあったんだよね。

できれば、都にも動いてほしかったところだよなぁ。
エドハク(江戸東京博物館)に展示したら最高でしょ。

実は台東区は前に出た煉瓦を既に入手していて、不忍池のほとりの下町風俗資料館で、時折展示したりしているらしい。

ほんとなら、あの八角形の(一部の)土台と、積まれた状態の煉瓦そのものを、保存できたらいちばん良かったんだけどな…



小さな凌雲閣がワタシの家に来た。
ゆっくり乾かして、瓶にでも入れておこうと思う。
乾いてきたら、薄い砂色がかってきて、とっても軽くなってきたよ。

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